「ウィーン・幻の陶人形・ 百年前の逸品を訪ねて」 朝日カルチャーセンター立川 042-527-6511 2019年11月9日(土) 15:30〜17:00 |
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19世紀末、芸術の爛熟期を謳歌するウィーンに、チェコからやってきたゴルトシャイダー家が設立した製陶会社は、後に「ウィーン工芸 フリードリッヒ・ゴルトシャイダー Wiener
Manufaktur Friedrich Goldscheider 」として、高品質の製品で有名なヨーロッパを代表する美術工芸社となりました。1920年代に入ると、アール・デコの芸術家たちが、ゴルトシャイダー社のためにこぞってファイアンス陶器の人形をデザインし、リリアン・ハーベイ、マレーネ・ディートリッヒなどの映画スターや、評判のダンサーたちをモデルとした製品が次々と生まれました。 マイセンなどの磁器人形より低めの温度で焼くファイアンス陶器の人形は、低い温度で発色するさまざまな顔料を絵付に使えるので、肌の微妙な色合いや繊細な布の風合いを表現するのに向いていました。生身の人間を感じさせる今にも動き出しそうな陶人形は一世を風靡し、世界中に輸出された製品は日本にも多く入ってきました。ゴルトシャイダー社の人形を真似た陶磁器製品もでまわるほどの人気だったのです。 ゴルトシャイダーはユダヤ人の家系だったので、1938年ナチにより経営権を奪われ、一族はイギリスとアメリカに亡命します。いろいろな形で製陶業を続けようとしましたが、衰退の道を辿ります。1930年代までに作られたゴルトシャイダー社の逸品は、コレクター以外の人々の記憶から次第に消えていきました。 21世紀に入って、ウィーンをはじめ世界各地でゴルトシャイダーのファイアンス人形の展覧会が開催され、百年近くの眠りから覚めた陶人形たちが、圧倒的な存在感で来場者を魅了しました。今回の講座では、特に評価の高かった2015年、ドイツ・ライプツィヒの「グラッシ工芸美術館」で開催された展覧会の様子を写真で紹介し、ゴルトシャイダー社のファイアンス人形の生まれた時代背景やマイセンなどの磁器人形との違い、ウィーン工房との関係に触れながら、その不思議な魅力に迫ります。 ブログ「めらん樹」に、ゴルトシャイダーの陶人形についての詳細な記事を載せてあります。 http://melange.sblo.jp/category/4267786-1.html |
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「グラッシ工芸美術館」アール・デコの建築 |
高さ50cm の人形のモデルは人気のダンサー |
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ヴェルディのオペラ「アイーダ」 |
「ハレーキンとコロンビーネ」 |
「スペインのショール」 |
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