「ヴィルヘルム・ブッシュとネーデルラントの巨匠展」 „Die
holländischen Bilder hab ich freilich gern“ – Wilhelm Busch und die Alten
Meister 2013年 ドイツ・ハノーファー 「ブッシュと諷刺画の美術館」にて開催 “Wilhelm Busch — Deutsches Museum für Karikatur und
Zeichenkunst” http://www.karikatur-museum.de/ ドイツを代表する文化人(日本では「マックスとモーリッツ」という風刺漫画で知られている)ヴィルヘルム・ブッシュの生誕地と終焉の地、ゆかりの地にある記念館を巡りました。2013年にはブッシュの作品を多く所蔵するハノーファーのブッシュ美術館で、ブッシュが憧れた16世紀のネーデルラントの画家の絵と、似通ったブッシュの作品を並べた特別展が催されました。丁寧に描かれた巨匠の作品と、前衛的なタッチで対象の本質に迫ろうとするブッシュの作品が、描かれた時代の違いを感じさせました。 ブッシュは青年時代、アントワープでネーデルラントの巨匠の作品に衝撃を受け、画家として生きることを決意しながら、自らの画業に満足できず、作品を秘匿し続けました。風刺漫画家として名声を得た後も、隠れて描き続けた油絵やスケッチの多くは本人によって廃棄されましたが、甥が保管していた作品が没後公開され、大きな反響を呼びました。残された千点あまりの油絵と約二千点のスケッチは、彼が暮らした北ドイツの平坦な風景と、そこに暮らす貧しい庶民の日常を、板きれや厚紙に描いたものです。家庭内のいさかいや駄々をこねる子供などの絵に、率直で容赦ないブッシュの表現が見てとれます。 偏屈で人付き合いの悪い変人と思われていたブッシュですが、絵画作品からは人間や故郷への深い共感が見て取れます。 繰り返し描かれる広大な風景の中に背を向けて座る赤いジャケットを着た男や、馬で荒野をいく後ろ姿の男のモチーフは、自然に身を寄せる孤独な魂を見るようで印象的です。 |
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オランダ風の服を着た自画像 |
柳の切り株上の子ども達 |
靴職人の見習いの少年たち |
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森のはずれの赤いジャケットをきた男 |
青い夏の光景 |
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上の絵の画像は、ブッシュ博物館発行の書籍からとりました。 下の絵の画像は私の写真です。 Quelle
(Bilder): Publikationen vom Wilhelm Busch - Deutsches Museum für Karikatur
und Zeichenkunst in Hannover |
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ブッシュ美術館 2012年 日本の風刺画の特別展 |
2013年特別展 ネーデルラントの巨匠とブッシュの絵 |
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2013年の特別展 激しい殴り合いの夫婦げんか |
2013年の特別展 赤いジャケットの農夫と牛 |
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ハノーファーの西Wiedensahlにあるブッシュの生家 |
生家のこの小さな机から、多くの作品が生まれた |
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晩年のブッシュが過ごしたMechtshausenの牧師館 |
牧師館の2階にあったブッシュの寝室と居間 |
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